1 趣旨
近年、商品・サービスに関する消費者トラブルが増加しており、その内容は一段と多様化・複雑化している。一方、消費者と事業者の間の情報の量・質、交渉力の格差はますます拡大し、新たな消費者問題が急増している。
消費者契約に関する被害については、一般に、同種の被害が多数の者にわたるという特徴を有している。しかし、一件一件は少額な被害であることが多く、消費者側が救済をあきらめてしまう傾向も強いことから、悪質な事業活動による不当な利得が放置される結果となってしまい、そのことが消費者被害拡大の大きな要因となっている。
したがって、消費者被害の未然防止・拡大防止を図ることが重要であり、事業者による不当な行為を抑止する必要がある。この抑止の手段としては、消費者団体が、事業者の不当な約款、広告や勧誘行為などの問題点を迅速に把握し、是正を求めるとともに、消費者への情報提供を行うことが有効である。また、このような観点に立って、事業者の自主ルールや行政規制の在り方についても提言を行っていくことが必要である。
そのためには、消費者・学識者・専門家が協力しながら、活動を推進することが望ましい。
私たちは、そうした新しい消費者組織として「ひょうご消費者ネット」を設立する。
「ひょうご消費者ネット」は、消費者被害電話110番等により被害情報の収集を行い、これらを団体の会員が分析した上で、不当な約款や勧誘行為が判明した場合には、それらを是正するよう事業者に対して申し入れを行う。また、消費者被害や消費者政策に関わる情報の発信、公開学習会等の開催、消費者政策に関する提言を行うとともに、他の消費者団体等とのネットワーク事業も展開していく。
これら一連の活動をすすめるにあたり、社会的な認知を得、事業者との交渉を円滑にするとともに、消費者団体訴訟制度の実現後は訴訟当事者となることも視野に入れ、特定非営利活動法人の法人格の認証を求めるものである。
2 申請に至るまでの経過
消費者団体訴訟制度の検討が本格的にすすめられる状況をふまえ、消費生活相談員、弁護士、司法書士を中心に、消費者団体訴訟制度の活用をすすめるための組織のあり方について、平成17年4月より協議を開始した。
その後、参加者を募った上で、平成17年10月に設立準備会を開催し、この準備会において、設立趣旨書(案)、定款(案)、事業計画書(案)に関する意見を集約し議論をすすめ、設立総会に提案する議案をとりまとめた。また、不当な約款に関する事例学習を行い、事業課題の具体的な推進のイメージを検討した。
以上の活動を経て、平成17年12月に設立総会の開催に至った。